2026年8月03日
バーベキューの季節ですが、肉の生焼けにはお気をつけください。特にカンピロバクター感染症を疑う患者さんの来院が当院で最近増えています。 夏から秋にかけて発生しやすい細菌性食中毒の一つで、特に鶏肉を介した感染が多いため、ご注意ください。
カンピロバクター感染症とは
カンピロバクター属菌 (主にCampylobacter jejuni)による細菌性の腸炎で、日本では細菌性食中毒の中で発生件数・患者数が多い疾患の一つです。 ごく少量の菌でも感染・発症する特徴があります。
潜伏期間:1〜7日 (主に2〜5日)とやや長いのが特徴です。
主な症状
下痢 (水様便が多く、ときに血便も)
腹痛
発熱
吐き気・嘔吐
その他 頭痛、悪寒、倦怠感
多くの場合、1週間程度で自然に軽快しますが、乳幼児・高齢者・免疫力が低下している方では重症化しやすくなります。 また、ごくまれに感染後数週間で「ギラン・バレー症候群」 (手足の麻痺などの神経症状)を発症することが報告されています。
主な感染経路
最も多いのは加熱不十分な鶏肉です。
鶏刺し、鶏たたき、半生の焼き鳥、鶏レバーの生食など
鶏肉からまな板・包丁・手を介した二次汚染 (サラダや他の食材への移り)
生の牛レバー、汚染された水・井戸水なども報告あり
飲食店やバーベキューでの「生焼け」が原因となるケースも少なくありません。
予防のポイント (家庭でできること)
鶏肉は中心部までしっかり加熱 目安は中心温度75℃以上で1分間以上。色がピンクのままや、血が残っている状態は避けましょう。
二次汚染を防ぐ 生肉用と野菜用でまな板・包丁を分ける。生肉を触った後は必ず手洗い。使用後の調理器具はよく洗い、乾燥させる (乾燥に弱い菌です)
生食を控える 鶏刺し・レバー刺しなどは避けた方が安心です。
手洗いの徹底 調理前後、トイレ後、食事前は石けんでしっかり洗いましょう。
こんなときは早めに受診を
下痢が続く・血便がある
高熱や強い腹痛がある
水分が取れず、脱水の症状 (口渇、尿量減少、だるさなど)がある
乳幼児・高齢者・持病のある方で症状が出た場合
治療:軽症の場合は対症療法 (水分補給、整腸剤など)で対応することが多いですが、重症例などでは抗菌薬を使用します。
カンピロバクター感染症は「鶏肉の加熱不足」が最大の原因です。 「少し生焼けでも大丈夫だろう」と思わず、しっかり火を通すことが最も効果的な予防になります。ご自身やご家族に症状が出た場合は、無理せずご相談ください。 予防を徹底して、元気に夏〜秋を乗り切りましょう。
大阪市西区九条 いずみ内科
泉 諒太